因島水軍城は、広島県尾道市因島にある水軍にまつわる資料館です。
小高い丘の上に、ひときわ目立つコンパクトなお城自体が資料館になっているというもので、室町戦国時代に活躍した「村上水軍」のふるさとにちなんで、昭和58年に建設されました。
お城の中は「水軍資料館」として一般公開されていて、村上水軍ゆかりの歴史的資料が展示されています。
駐車場は丘のふもとにあるので、そこからお城までは石段を登っていくことになります。
遠目には近くにあるように見えるお城も、実際石段を登っていくとまあまあの距離がありました。
後で知ったのですが、因島水軍城は、文化庁選定の「日本遺産」(Japan Heritage)にも認定されているそうです。
途中、ツアー客の一団ともすれ違ったので、きっとこの辺りの重要な観光資源であることは間違いありません。
これから注目されていくかもしれませんね。
城内は村上水軍を中心に、海賊の甲冑や刀剣など、貴重な資料が展示されています。
村上水軍は、室町戦国時代、日本の中世において、因島周辺の海路を掌握し繁栄したといいます。
海上の航路の要所に砦を築いていったそうですが、戦略や防衛の観点から、大小の島々が連なる因島の地形は絶好の拠点だったのでしょうか。
こちらの写真は、丘のふもとにある「因島史料館」のものです。
村上氏は、関ケ原の戦いで破れ、その末裔たちは、海運や漁業、造船など、水軍ならではの知識を生かし、海にちなんだ産業を受け継いできました。
この史料館には、それらの各種資料をはじめ、かつて日本に存在した「漁を行いながら船上で生活する」という、漂流漁民(家船、えぶね)の民俗資料も展示されていました。
実は、この村上水軍城と因島史料館は、村上家の菩提寺である「金蓮寺」の境内にあり、村上家歴代の墓などもあります。
興味がある方はそちらもあわせて訪ねられると良いかと思います。
最後に、水軍城周辺の地図を載せておきます、基本的に石段メインの坂道なので、移動は楽ではありませんが、すべて徒歩で行き来可能な範囲です。
また「金蓮寺」は駐車場から水軍城へ続く石段のルートからは外れるので、行かれる際は案内の看板に注意してみてくださいね。